ジャワの暮らし27

2012/12/28 過去のブログ(エキサイトブログ)より

12/27 19:00 ジョグジャカルタのメインストリート、マリオボロ通りに面するジョグジャカルタ州知事公館で舞踊公演が行われました。
ジョグジャカルタ前王さまハメンク・ブウォノ9世が生きておられればこの日100歳、一世紀となられることを記念して開かれたものです。
定刻を少し過ぎた頃、ガムラン演奏がはじまりました。ソランという、打楽器だけの(歌や弦楽器、柔らかい音色の打楽器が入らない)力強い演奏です。この演奏だけで一時間はありました。日本だと「なかなか行事が始まらないなぁ」となるかもしれませんね。
演奏が終わり、開会が告げられます。そして、現王さまの弟であり文化芸術を推進する職についておられるグスティ・ユドの挨拶、続いてハメンク・ブウォノ10世兼ジョグジャカルタ州知事の挨拶。

 


すばらしいプンドポですね。ガムランもすばらしい音色です。

最初はブドヨ。9人の女性がまるで天体に浮かぶ星のように、ゆったりと踊ります。人間の9つの穴を表しているともいわれております。
踊られたのはジョグジャカルタの名だたる舞踊家。舞踊家として輝かしい時代を築き今は次世代育成の指導者の指導者というぐらい年期の入った方々。

続いては先の舞踊家に小さい頃から舞踊を学び(親子で師弟の方々も)、今現在舞踊家としてまた指導者として全盛期といえる舞踊家たちによるブドヨ。

 

ここでトークタイム


司会はヤティ・ペセという、歌って踊って笑わせてという多才な女性、男性はクトプラ(伝統の芝居)の役者さんだそうです。
この二人が舞踊家にインタビューし、その間に次の舞踊が準備。

次はジョグジャトップの学力を誇るガジャマダ大学の学生による舞踊、プデャストゥティ(短いバージョン)。芸能一家だけで芸能を継ぎ守るのではなく、こうして新しい人たちを取り込んで(芸能一家でガジャマダに通ってる人ももちろんいます)ジョグジャ全体で伝統芸能を推していこうということだと思います。

インタビュータイムを終え、次はワヤン・オランです。演目は、
ガトコチョ・ウィラジャヤ。

ガトコチョの誕生から、いくつかの名シーンを見せてくれました。全四場はあったかな。
ナロドが赤ちゃんを抱いている。


ジンという鬼の来襲。


スモーク出ました。


噴火しました。


水牛と象

 


ブドヨとワヤン・オランで全4時間たっぷりと舞踊とガムランを堪能させてもらいました。
最後は総出演で群舞。


写真に収まらないほど。100人はいました。ジャワ芸能のなんという層の厚みでしょう。
終演。花束贈呈。驚くべきは、州知事兼ジョグジャカルタ王が最初から最後までずっと見ていたということです。日本ならば、最初の挨拶をして公務があるといって帰りはしませんか。王族ずらりとみなさん最後まで座っておられた、それって王さまの、芸能を大事に、民衆とともに。という言葉がうわべでないことを民衆が強く信じることになるし、王さまの前ですべての舞踊家が踊れたことは自信になるし、民衆が芸能を継いでいこうという気力にもつながると思います。

 

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