ジャワの暮らし53

2013/01/15 過去のブログ(エキサイトブログ)より

1/14 午後は記念写真をとりました。
今回の滞在中に指導を受けているジャワ舞踊の先生ルッノさんは、ご夫婦で結婚式のメイクアップ・着付けを仕事としています。話を聞く度に興味を持ち、結婚式を行っていないということもあり今回体験することになりました。

12:30から顔と髪のセット。ジョグジャカルタの花嫁メイクはこんな感じ。


ギザギザの髪の毛にするために髪を剃ることもあるのですが、私は剃らずにいきました。額がとても狭いのでこのメイクは無理ではないかと思っていましたが、
「どんな顔でもできる、できなきゃこの仕事はできないわ」とルッノさん。
金色に縁取りされている部分は、金箔を使うんですよ。
髪の毛の中には香り立つパンダンリーフの塊を入れボリュームを出します。髪の毛で隠れて緑色のパンダンリーフは見えなくなりますが、それでも本物の葉を使うんですね。
パンダンリーフの他にシリッの葉(おばあちゃんがずっとしがんでるたばこ)、首飾りや頭飾り、イヤリングにジャスミンの花と蕾、ベルトにはプリンという葉などなど。
使用後は乾燥させてずっとおいておけるとう言うことなので、撮影を終えた今、それらを干しています。明日の朝目が覚めたら部屋中がお花や葉の香りで満たされていることでしょう。


さて、メイクを終えたら着付けに入ります。まずは、ドドタンというスタイル。長いバティックを2枚使います、半幅帯のようなものも通常の倍くらいない?という長さ。合わせて8mくらいの布を体に巻き、ずっしりとした飾りも頭、首、腕、手首、腰にとつけていきます。ただの一枚の布が、見事な手さばきで変幻自在にフォルムを見せてくることにただただ驚きました。


家族写真以外に、花嫁花婿のツーショット、一人ずつで数ショット、椅子あり、なしバージョンととにかくいろんなパターンを提案され、手の位置、目線、首の傾きなど細かくアドバイスをくれます。美しい形にきまると、すごく誉めてくれます、いいよーいいよーきれいだねーあぁそれ、その笑顔ちょうだいの世界です。
次はカニガラン、というスタイル。
ドドタンの上からさらにビロードの上着を着ます。


親族が集まり1家族ずつとったり、こどもとのショット、個人ショットそれぞれ数パターンを経て、上の二人のショットに至りました。
ビフォアフターのビフォ、ノーメイク時の撮影に始まり、メイクとドドタンの着付けで2時間半ほど。この後の撮影はきっとささっと終わるんだろうと思っていたので、二着目のカニガランスタイルですでに六時間経っていることに本当に驚きました。暑いこともあるし、それ以上に体にずっしりくる衣装の重さが堪えます。けれど空間に充満する草花の香りで気持ちが落ち着くから不思議。また、笑顔を六時間続けると顔がひきつってくることもわかりました。私たちは写真撮影のみでしたが、これに結婚式をプラスすると、
朝五時メイク開始、そのまま撮影(ここでもう疲れる)、お客さんが集まり九時結婚式開始、衣装替えも含み昼1,2時までと、やはり八時間ほどかかります。私はこれまで結婚式で花嫁があまり微笑まないのを不思議に思ったことがありました。私今絶頂に幸せ!という感じの花嫁は見たことがありませんでした。少しうつむき加減で控えめにいることが女性の美、花嫁の美徳ということなのだろうと思っていましたが、今回実際体験してみて、美徳もあるかもしれないけれど、花嫁は式開始時にすでに相当体力を消耗し疲れているということがわかりました。
続いてソルジャン・クバヤスタイル。


衣装がかわるごとに口紅も変わっていきます。
8mの布を外し、クバヤになると大分楽です。人は重心のバランスを無意識にとるのだなぁということがわかりました。
頭に飾りを着けた状態から布を巻いた時、さらに別の衣装に着替えた瞬間など、頭や体が支えられない感じになりました、でもすぐに慣れるのは体が重心の位置を調整したんですね。
メイクをしたばかりの午後二時は、こんな経験一日だけではもったいない、数日このままでいたいと思ったものです、しかしこのピンクのクバヤを来ている午後七時の時点では、早く脱ぎたい、ゴロンと寝たい、十分満足すっごい楽しかった、でももうノーメイク楽チンゴムパンツに戻りたい、、、という気持ちでいっぱいでした。
ピンク衣装の撮影が終わる頃、ルッノさんのこどもさんがおばあちゃんに連れられてやってきました、おっぱいを飲みに来たのでした。クバヤの制作者であるおばあちゃんがそのまま着付けを代わってくれ、ルッノさんは授乳、そして撮影は続行。
無事ピンク衣装の撮影が終わりました。最後の力を出しきるように私はお礼を述べます。
ありがとうございました本当に楽しかったです、ではこの辺りでおひらき・・「だめ!紫まだでしょう!」とルッノさん授乳もそこそこに一喝、どうしてこんなに元気なんだ。ルッノさんが弱った私を奮い立たせてくれました、本当にプロですね。
最後の紫衣装の撮影に入ります。あるむとごんはギブアップ。二人だけで紫を撮り終え、無事に全撮影が終了。
ふらふらになった私はルッノさんにメイクを落としてもらい、おばあちゃん達があっという間に衣装片付け、じゃあ二日後にデータと写真集出来るからね~バイ!といってルッノさん家族はあっという間に帰っていきました。

すごく大変でしたが、それ以上に素晴らしかったです。この道のプロの方々の仕事が間近で見れたのもよかったし、家族のいい記念になりました。
私はお勧めコースでお任せしましたが、
トータル時間の希望や、衣装のセレクト、写真は何ロール(1ロールで写真の枚数と価格が決まっている)で、などの希望をだし、自分にあった撮影会ができると思います。室内だけでなく、ボロブドゥールなど世界遺産や、滝、水田、海岸などなどいろんなロケーションでの撮影もしてもらえるそうですよ。
皆さんに是非おすすめしたいと思います。本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。

コメント