ジャワの暮らし40

2013/01/06 過去のブログ(エキサイトブログ)より

1/5朝。ブボボボボと音がするので家の外に出てみると、


ザ・走る精米機がスモヨ村を走り回っていました。

今日はスラカルタへ行くことに。
ナナンとゆりちゃんが車で迎えに来てくれました。
車の中はきれいで、こんなアメニティグッズも。


あのミッキーが角刈りに。縫い付けの関係かうなだれていた。
ソロに入ると地図を見ながら一生懸命目的地を探します、全然地理がわからず、運転手さんとナナンにお任せしてしまいました。
時間が刻々と過ぎ昼ごはんも食べたいがしかしまずは最初の目的地を目指さねばとこれを頬張る。


ボラン・バリンという大迫力の名をもつこの食べ物は、小麦粉の揚げ菓子です。

そしてチュモロ・アユへ。サングルという、黒髪を結い上げた、伝統衣装とともに身につけるものを購入。
おばちゃんの商売気質がすばらしかった、サヤァン(かわいこちゃん)と頬をなでられながら値引き交渉を断られたりしましたよ。(最終的にはちょっと勉強してくれましたよ)
さて次の目的地へ。
目の前の車が、


赤いのに黄の文字。
これは一体どういうことなのか、ゆりちゃんと私でさまざまな憶測を呼んだこの謎の車。
最終的には黄(こう)さん所有の赤い車ということで落ち着きました。
昼ごはんは、ナナンさんがおすすめのお店へ。地理的困難や、一件目クローズなどの苦難を経てやっとたどり着いたのが中華料理店。


こちらで、ジャワではあんまり食べないお肉を食べようというのがこの日の大きな楽しみでもありました。
こちらはパパイヤジュース。


蝿の群れを蝋燭の火で緩和しますがなかなか緩和できるものでもないです。蝋燭を二つに増やしパタパタしながら美味しくいただきました。本当にこちらは蝿が多いです。
蝋燭の火に激突して倒れる蝿や、辛いサンバルたれに浸かってしまいギャーと叫ぶかのように逃げていく蝿もいた。

次に向かったのは


ワヤン工房。
注文しているワヤンの進み具合も気になりつつ訪れたところ、工房には活気が溢れていました。

 


ワヤン製作と、刺繍の注文を受けている工房でした。
ワヤン製作においてはすべての行程をここで行っているようでした。

 


一晩水に浸けた皮は


こんな風にして1週間陰干しします。


デザインはこちらのボスが。


ボスはこの道25年、勉強はもっと前、中学生にははじめていたと言っていました。
ボスはワヤンデザインの延長で刺繍も受注しています。下絵をボスが書き従業員がミシンを回します。すごく器用で手際よく作っていくところを飽きずに眺めていました。
こういう風なのが、


こうなって


こうなります。


ワヤン製作の人も刺繍の人も黙々と作業をしていました。16:00前にボスが財布を持ってそれぞれに声をかけつつささっと廻り16:00になるとみな一斉に作業を止めすぐに帰りました。なんというスマートな職場。

 


終業後ボスが水牛の角を見せてくれました。


これ一つでワヤンのガピッ(持ち手)が5,6本取れるということでした。プキンというガムラン楽器のばちもこの角を使います。角も皮と同じく使用の際にはまず水に浸けます、ガピットはランプの炎で熱して引き伸ばされます。

ワヤン工房の後は、弦楽器ルバブを探しに行きました。ゆりちゃんがお友だちのつながりでダルソノさんという人とコンタクトをとってくれ、ダルソノさんが工房に案内してくれました。


タマリンドという木を使ったすばらしいルバブに出会うことができました。
バティックを着たかわいいルバブも。

さてすっかり日も暮れてしまいましたので夜ご飯となりました。
スラカルタの名物料理ナシ・リウッやさんへ。


さあこのお店では、シトゥラン(シトゥルという親指で爪弾く弦楽器の演奏)が聞けました。雨の中、まだ誰もいない店の軒先に衣装を着たおじちゃんとおばちゃんがスタンバっていたためでしょうか、引き寄せられるように私たちの車はこの店の前に停車した。「演者がスタンバってて、観客がスタンバってないのはおかしいだろうよ」と多分そういう話だったと思います。


ランガムやジヌマンやドラナンなど知ってる曲をたくさん歌ってくれ、リクエストにも答えてくれました、なんとも味わい深いシトゥルの音色、そしておじちゃんおあばちゃんであります。


おじちゃんがちょっとトチる毎のおばちゃんのダメだしが容赦なかったです。おじちゃんどんどんうつむいちゃって最終的に角刈りのミッキーみたいになっていた。
そうこうするうちにお料理が。

 


ごろごろと入った生姜(日本のものとは大分違う生姜、日本ではタイ生姜とか言われているものかと)
ダルソノさんともいろいろおしゃべり。この方もまた有名なダランの息子さんであるということでした。不思議なジャワ芸能の世界、どこかで誰かと繋がっている。いつか、おうちに遊びにおいでウヨンウヨンをしましょう、といってくれました。
さてシトゥランおばちゃんたちですが、途中でギター奏者がやって来て、おばちゃんたちすごくふてた感じになった、それでなんとなく一曲ずつ交代するという形になっていた。
ちょっとふててるおばちゃん。


この店は長いんですかと聞くと、
「まあ疲れてなけりゃ毎晩来るわね」
と言い、
「この店の名前は初代店主の名前、今はその子、その孫がこの店をやってるわね」と言いました。
なんとも言えないおじちゃんとおばちゃんのかわいらしさと、それにそぐわないシビアなコンビネーションに、未来の夫婦像を重ねてみた夜であります。

さて、この夜はクラテン(ジョグジャとスラカルタの間にある)でキ・プルボのワヤンがあると聞き、しかし後ろ髪をひかれる思いでジョグジャへ。
ジョグジャはカラサンのプルマン(マンゴー)村でもワヤンがあったのです。ナナンさんのワヤンがシンピンガン(スクリーンの両サイド並べられるワヤン)に貸されているということで寄りました。

ブログを書いているとお母さんが
「ひろみ、ヒム(ローフィはお母さんにヒム呼ばれてる)、これ食べなさい」とやって来た。


白餅米とココナツおろしのあえたもの。餅米なので普通はもっともっちり炊きますが、これはタペ(発酵菓子)ようの餅米なのでぱらっとした感じ。
これをいただいて、またブログを書いているとまたお母さんがやって来て
「ひろみ、ヒム、これを食べなさい」と


ナシゴレン、さらにジャワティ。
お母さんは今から(21:30)タペを仕込むので夜食のつもりなのでしょうが、だらだらとしている私たちにも分けてくれるのでした。

さてワヤンですが、ダランはベニェさん。キ・セノとも親戚のこれまたビッグファミリーの一人。アカペラガムランとか、ワヤン・ヒップホップとか新しいこともやっています。
ここでも懐かしい人に出会えて嬉しい限り。(熟練)演奏者は基本的にワヤン楽団を何股しても構わないと思われ、どこに見にいっても、あ、こないだはどうも、という人に会えるし、それでもやっぱり演奏家はたくさんいるので、久しぶり!という人にも会える。嬉しいことです。

ワヤンはお笑い芸人が出てきたり、スポンサーの電器店がテレビや自転車の景品を用意してたりして、雨の中かなり盛り上がっていたのですが、ワヤン二晩目は体に堪え、1:00前に帰宅することに。
家に着くとまたどこかからワヤンの音が。数キロ離れたウォノサリ通りから聞こえてくるワヤンの音でした。眠るまで聞こうと横になったとたん眠ってしまいました。

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