ジャワの暮らし30

2012/12/30 過去のブログ(エキサイトブログ)より

12/29 午前中は踊りのレッスン、アユンアユンの二日目はゴビョガンというところまで。
時同じくしておともだちのトゥトゥン親子がやってきた。


彼は以前のブログにも登場しましたが、ダランであり、ワヤンのデザイン・下絵も素晴らしい。ローフィは高校生の頃、貯金してはダンボールを買い、それでトゥトゥンさんにワヤンを作ってもらっていました。大事にしていたそんなボール紙ワヤンは、その後スモヨ村の小学校に寄贈されました。
(しかし美談で終わりませんで、実はこのワヤンを村人が借りたいというので貸したところ自分の結婚資金に全部売ってしまったという。そんなやんちゃな人ですが彼もガムラン好きなローフィのともだちです。人のワヤンを勝手に売って結婚式あげちゃうのも、それをしゃあないと許しちゃうのも、なんか豪快~。)

トゥトゥンさんですが、クリスを持ってきてくれました。


分かりにくいですが腕の奥にあるのがクリスです、クリスは護身刀のようなものでワヤンではダランが腰に差します。
自分の生まれた日(7曜と5曜)、望み(健康・仕事・知恵など)などにより、多種多様なクリスの中から自分に合うものを持ちます。
クリスは専門の能力を持つ人により聖水で沐浴をし香を炊き祈祷され持ち主に渡されます。
クリスにはイシとティダイシがあって、イシというのは、クリスにたましいが入る(込める)ことを言います。
私は詳しくないので着いていけませんでしたがトゥトゥンさんや他ダラン仲間のクリス談義は盛り上がっていきました。途中、クリスを売っている店の話になり、トゥトゥンさんが、それはどこどこを曲がりその後アスファルトの交差点を右、で、どこどこをどうしたところにある、と言ったのですが、アスファルトの交差点なんかどこにでもありまして、いったいこれで本当に目的地にたどり着けるのだろうかと思わず突っ込んでしまいました。トゥトゥンさんの奥さんがほんまや、どんだけ適当な道案内やねんといって一緒に笑ってくれましたが、ダランたちは普通に、ふんふん、と話を聞いていました。これでわかるんだね~すごい~。

午後はマッサージをおうちで。スモヨ村には女性のマッサージ師が二人いたのですがお一人が高齢のため他界、現在は一人です。この方はすごく丁寧に長い時間やってくれますが、時々居眠りをします。居眠りをすると通常90-120分のところ180分以上になります。
今回がその居眠りバージョンだったので、まだ終わらぬうちにともだちのナナンさん、ゆりちゃん夫婦がやってきた。
夕方は英恵さんというおともだちの家へ。彼女はソロでダランを学んでいたそうです。
道中、腹ごしらえに立ち寄ったのは


ソトやさん。汁かけご飯です。
ジョグジャの芸術高校の近くでソトの有名な地域です。


ここにライムを絞りいただきます。
その他にも


こういうのもテーブルに盛られています。これは鶏足先。
また


これは鶏の色々な部位の揚げ物。ブルクデルというコロッケや、甘く炊いた豆腐も一緒に。
これは頼んで出てくるんじゃなくて勝手に運ばれてきます。食べたら食べた分を精算時に申告するシステムです。

英恵さんちでおしゃべり。御夫婦ともに多才で、オリジナルのバティックやタイル、アンティーク家具などを扱っておられます。本当に素敵なものをお持ちですよ。
アスムという果物をお湯に浸した飲み物をいただきました。甘酸っぱくてヘルシーでとっても美味しい。


日本人とインドネシア人カップルのこどもたちが集まり読み聞かせの会などもしているんですって。お母ちゃんたちがんばってますね。

話を中断
おかあさんが包丁握ったままやってきた。
ひろみぃ ちょっと葉っぱ探してくるわね明日市場で売るのさ、そんで今しがたシンコン届いたわ、60kg。母さん嬉しいわ~これでまた明日市場にいける。じゃあねぇ。

葉っぱを探しにおかあさん行ってしまいました。

話は戻り。
英恵さんちを失礼して車走らせること五分。この辺りでワヤンやってるらしいよね~とゆりちゃんとしゃべてると、車の窓の向こうからガムランの音が。ワヤン舞台は通りからはみえないが試しに通行人に聞けばいやまさにこの細道の奥でやってるよ、とのこと。
ちょっとよっていこうということでまた今夜もワヤンをみる。


ダランはイプヌさん。彼は以前ローフィの短剣クリスを祈祷してくれた方。そういえば先日のイモギリでのワヤン公演では、ワヤンとガムラン一式の貸し主として会場にいました、今夜はそんな彼がダラン。
プシンデンは年期入った人が三人、かわいい学生が一人。前者の三人はダランに「妖怪」といじられていた。それで腹いせにプシンデンはゆでピーナッツを笑ってる男たちに投げていました、うふふって笑いながら。

この会場ではほかにも、
舞踊家バゴン・クスディハルジョの息子オトッさん(絵描き、作曲家)にお会いできた。この方は大変個性的で、右のガラスと左のガラスが真っ二つに割れた目がねに紐をつけて首からぶら下げてた、ふむこうすればまだ使えますね。割れてますよ眼鏡、というと、がははははこれが眼鏡の新モデルどぅあぁ!と言いました。豪快~。

他に私がはじめてジャワにいった2000年からずっと忘れられない人とも会えた。
彼はジョグジャのメインストリート、マリオボロでアンクルンを演奏している盲目のストリートミュージシャン。いつも、マリオボロに行くと彼を見かけたけどなかなか話しかけられなくて、足元のカンカンにお金をいれてと通りすぎてた。今回ジャワに来て、減ったなぁとびっくりしたけど、私が留学していたときは、ストリートミュージシャンやストリートチルドレンがたくさんいて、みんな一日中暑い中お金を探してた。
2004年だったか、マリオボロの近くのワヤン会場でアンクルン奏者の彼を見かけて、あぁワヤンが好きなんだなぁと思った。そのあともジャワに行く度にマリオボロ通りで見かけてた。
今回の帰郷では会えるかな、もうお年かな・・と思っていたけど先日ワヤン・オランを見にマリオボロに行ったとき、久々に彼の演奏している姿を見かけて嬉しかった。でも急いでいたし話しかけたこともなかったのでそのまま通りすぎた。その彼が今ワヤン会場にいる。私は勝手にご縁を感じ、ぼけ~っとここ10数年のジャワ滞在に思いを馳せていたら、突然彼が話しかけてきた。
おお、お前さんわしを覚えておるか、数年前マリオボロ近くのワヤン会場であったじゃろう。
私は驚いて、えぇ私を覚えてるんですか?
と聞くと
覚えとる。あのな、今日のダランはな、わしの弟じゃ!
というのでした。
さすがにイプヌさんが弟って・・・ないだろう、と思うのですが、まあそれはいいとして、
再会できた上に、私を知ってくれてて、13年の時を経てはじめて握手しおしゃべりできたのがすご嬉しかった。
イプヌさんも、ワヤンの中でゆりちゃんと私をいじってくれて、歌を歌わせてくれた。本当にあったかいですね~。

今朝。なんと起きたら9時。
ジャワの9時はもはや寝坊という範疇にも入りません。
おめざは


シンコンの素揚げ。茹でてからカリッとあげてます。

今日はこどもたちは従妹のリア姉ちゃんに遊んでもらっています。リア姉ちゃんちに風呂に入りにいくところ。


ご飯も食べさせてもらって帰ってきました。歳の離れたお姉ちゃんにこどもたちは大喜びであります。

今夜は先日と同じ村でジャティラン。今夜こそクライマックスのバロンガンをみたいと思います。

明日は12/31。
私はキ・セノのワヤンに出演することになりました。お客さんでいる方がどんだけ気楽かと思いますが、今年最後の記念にそして新年の幕開けに、ワヤンの舞台に登らせていただきます。

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