ジャワの暮らし32

2012/12/31 過去のブログ(エキサイトブログ)より

昨夜はローフィのお兄さん二人が奥さんの実家へ帰っていました。そのためローフィはシンコンの皮剥きを手伝う以外にもいろいろ働いていたみたいです。
ガムランの練習後、0:00に牛舎に行き牛の餌やり、牛舎は村共同のもので村のはずれの川の近くにあります。この牛はアスモロ兄さんの牛。アスモロ兄さんは芸術高校卒業後農家を継ぎました、彼は太鼓(クンダン)奏者。二年前にプレゼントしたクンダンはとても使い込まれていて皮も木も深い色合いでしっとりとしています。艶も出ていて美しい。
その後おかあさんと二時間おしゃべりして就寝、またすぐ起こされて4:00グトッ作りで一番重労働である茹でたシンコンをマッシュする作業。木の棒でどすどすやります、なんとこれが二時間近くかかったとローフィ。手に豆もでき力尽きそうになった朝5:30、バングン兄さんが帰ってきました。すぐにバトンタッチです、ローフィいわく手慣れかたが半端なかったそうです。力強く安定感のある動き、また手を添えずともシンコンが自然に臼のなかで回転し、同じところに木を打つだけでまんべんなく全体がマッシュされていったと。バングン兄さんがやれば二時間かかんないんじゃないでしょうか。
そんなことになっていたとは露知らず私は6:30に起床、本当は今日は妹のワヒューと一緒におかあさんの市場についていくはずだったんだけど、「ベソッ(明日という意味・・・だが、また今度 と捉える方がいい)」とワヒューが言いましたので延期です。
今日のおめざはこちら。


アガルアガルというゼリーです。
昨夜ワヒューが作って冷やしておいたもの。こどもたちは大喜び。
7:00クリーニング屋さんが来た。


この量で7000rp。60円くらいでしょうか。ジャワの田舎の感覚でも500円くらいではないかと思います。コストパフォーマンス二重丸といえるのではないでしょうか。

7:30 マルヨノとローフィとごんが床屋へ。


理髪師はカルティジョさんといって、いつも私たちのためにワヤン会場に車を出してくれる人です。彼の本職は床屋さんだったのですね。普段は夜明けから9:00まで市場で出張床屋さん、その後自宅兼サロンに戻り、10:00開店。奥さんはとなりで美容院を開店。今日は年末なので市場に行かなかったそう、随分人気のようでローフィたちは列に並んだそうです。
カルティジョさんは本職の床屋の他に、王宮のワヤンメンテナンスという仕事もしています。
ジョグジャカルタには王様がいます、現在の王様はハメンク・ブウォノ10世といい、州知事も兼ねておられます。
ジョグジャでは、一般の人が王様のためにお務めをしたいと思えば志願することができます。
王様が歩く廊下を箒ではく仕事や、王宮の壁掛け時計のネジを巻く仕事、などいろいろです。そんな人たちをアッブディダルムといいます。
カルティジョさんは、ワヤンが好きで、王宮に、ワヤンに携われる仕事を、と志願しました。しばらくはトレーニング期間があり、出席率や勤勉さなどを審査されます。合格とみなされると晴れてアッブディダルムとなります。
アッブディダルムになってもその後の働きがよくないとトレーニングに格下げされます。またお給料と言えるものはほとんどありません。ローフィがパクアラマンという、ジョグジャにもうひとつある王宮のアッブディダルム(演奏家として)だった頃は数ヵ月に一度、20kgのお米をいただいていました。アッブディダルムというのは、お金のためではなく、ジョグジャを守ってくれる王様のために奉仕できる喜び、が報酬となっているのです。
カルティジョさんは、アッブディダルムとして、週に一度王宮に出掛けます。王様所有のワヤンが10か11コタッ(箱。一箱に数百体のワヤンが入っている)あり、それを毎週一つずつ開けていって風通しをします。
また時には特別の力を持つというワヤン(白い布で包まれていてそうそう見ることはできない)のメンテナンスを任されることもあるそうで、そんなワヤンに自分が触れることができるのが嬉しいとカルティジョさんは言います。
さらに、王宮の伝統的なワヤンを学ぶクラスにも通うことができます。カルティジョさんは、芸術高校や大学には行きませんでしたが床屋という仕事をしながら大好きなワヤンの世界で今まさにダランの勉強をしているのでした。
そんなカルティジョさんのヘアカットテクがこちら。


ごんくん生まれてはじめて床屋へ行きました。5000rp。50円くらいでしょうか。
ちなみにカルティジョさんの奥さんは美容院を本職とし、同じくアッブディダルムのプシンデン(女性歌い手)を7年続けているんだそうです。
週に一度朝10:00-12:00、王宮内で演奏しています、観光客も多く訪れます。

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