ジャワの暮らし43

2013/01/07 過去のブログ(エキサイトブログ)より

きれいになったバナナ畑でこどもたちが遊んでいます。


マンディーマンディー!(風呂風呂!)と親に言われるまで遊び続ける。
夕方、ケーキが届きました。


こどもが生まれました、名前が決まりました、健やかな成長を祈ってください、というメッセージが添えられています。

夕方4時に来ると約束したトロさんはまだ来ません。トロさんデザインのバティックを注文したのでした。トロさんは、ものすごい才能をもったすごくクレイジーな演奏家です。才能豊かで、バティックのデザインや、一晩のワヤンで使われる楽曲も作ります。両腕で太鼓を叩き、歌を歌い、頭を振ってゴンを鳴らすという変技も持っています。
時間通りに来るわけもないなということでそのまま放っておきます。

夜、ダランのイプヌさんがやって来ました。右手前。


それでは鴨でも食べさせましょう、とマルヨノが言い、みんなあははと笑っておしゃべり。
私はイプヌさんに、この間イプヌさんがダランをしたワヤンで、マリオボロの盲目のミュージシャンに会ったこと、2000年からずっと気になっていたその人と、ワヤンの夜に初めてしゃべったら、「自分はイプヌの兄だ!」と言って驚いたことを伝えました。すると、
「その通り」とイプヌさん。
実際には兄弟ではなく、
ダランを父に持つイプヌさんを、お父さんがワヤンで不在の夜、ずっと側にいて世話をしてくれていた人だということでした。
マリオボロのそのミュージシャンは名前をクマッさんというそう。
金曜日を除く週6日、家族にマリオボロに送ってもらい一日中演奏をします。奥さんはお米を売っているそうで、奥さんも目が見えません。
クマッさん、実は日々驚きの高収入のようですが、演奏で集まったコインはずっと貯めておいて、一年に一度のイスラムの断食明けのお祭りの時にそのコインでお菓子をたくさん買い、近所のこどもたちに配るのだそうです。
イプヌさんが、「一日でもクマッさんとこに僕が顔出さないと、絶対電話がかかってくるんだ」と言ったとたん、本当にクマッさんから電話が。
「今ひろみのとこに来てるよ、ひろみとしゃべる?」とイプヌさん。
ここ10数年、ジャワを訪れる度に探していた人が、友人の育ての親だったことを知り、なんと今宵は初めて互いの名前を呼びあって電話で話す。そんな日が来るとは、人生は不思議です。
「こんばんは~クマッさん、ひろみです」
「今何してるの」
「鴨を食べるパーティです」
「いいね。持って帰って来てね」
「次のチョケアンはいつですか(クマッさんは月に一度、自宅で小編成のガムラン演奏会を開いているのでした)」
「金曜日だよ、そっちは何人?」
「五人です」
「そう、こっちは七人だ、じゃーね」
と言って電話が切れました。うーん、いつの金曜日なんだろう。
クマッさんとイプヌさんのところでは、盲目のガムラン奏者によるガムラン楽団もあるそうです。
本当に全然知りませんでした。私がもしクマッさんにマリオボロ通りで話しかけていたら、どうなっていただろう。どうして話しかけなかったんだろう、と思ってみても仕方のないことに一通り思いを馳せました。
多分気づきもしないところで人の縁みたいなものは、宇宙の星のごとく巡り、時が満ちると出会う。ただそれがいつかなんて知るよしもなく、私たちは生きているんだなと思いました。

さてランブータンと、鴨の骨をいれるための袋が用意されました。鴨は本当なんでしょうか。


引き続きおしゃべり。
名だたるダランの逸話、もしあのダランが長生きしていたら、、というもしもの話、
他のダランの物真似や面白おかしい批判、
マハバラタの物語のある一部分について、これをどう読みとくかという熱い語らい、
日本には今も忍者はいるのか、という質問、
こどもの頃おしんが大好きだったという話、
ダランの力を高めるための、修行経験談やシャーマンのあり得ない指示に途中でお手上げになった話(ジャワ6箇所の聖水を集めよということであちこち走り回ったが、箇所が増える度に持ち歩く聖水が増え、何キロにもなってしまい途中の釣り堀で水を捨てたという話)
などで盛り上がります。
ダランという道を極めんとする人たちからのなんとも言えない魅力がほとばしります。

さて、料理ができました。みんなの元へ運びます。そして一言、
「ごめんなさいよ~、鴨を逃がしてしまったの、追いかけてやっと捕まえたのがこの卵というわけで」とミーゴレンを出す。
みんなでひゃあひゃあ笑いミーゴレンを食べる。

夜22:00、トロさんからメール、
「今から行こっかなぁ」
来るも来ないもあてにならん、来たかったら来るだろうしほっとけ、とみんな。さて来るんでしょうか?

23:00お隣さんのソリキンがやって来た。

あっという間に0:00です。多分まだまだおしゃべりは続くのでしょう。ダランは多様な声音を用い、いたるところにユーモアをちりばめて、心地よい抑揚をつけたジャワ語で、不思議な話から下世話な話までを途切れることなく喋り続けます。

16時に行くと行ったトロはまだ来ません。日付変わりました。来るんでしょうか~。

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