ジャワの暮らし44

2013/01/09 過去のブログ(エキサイトブログ)より

朝は幼稚園のお弁当作りから。


弁当作り・・と呼べるのか。すっかすか。めちゃ楽。しかしこうして並ぶとなかなか見ごたえはあります。

舞踊家であり研究者の岡戸さんが遊びに来てくれました~。


ジャワで会うのは初めてでした、バイクに乗って颯爽と現れた岡戸さんに、「岡戸さんはてっきり、運転手付きの車に乗ってやって来ると思ったのに、バイクとは。」とローフィ。どんなイメージなんでしょう。ジャワで暮らすのにバイクはやはり便利で、大体みんなバイクです、逆にお付きの人連れて動いてる友だちなんて今まで一人もいませんでしたから、久々に出たローフィの不思議発言。私たちはおしゃべりをはじめました。
岡戸さんの持ってきてくれたケーキ(日本でも食べれそうなおいしいケーキでした)を食べたりジャワティ飲んだり、
ロテッを食べたり、


いろいろな揚げ物を食べたりしながら、日本のこと、ジャワのこと、今度どこで公演あるか、などなど。
日本語で思いきりしゃべる楽しい一時。

さて午後は果物を買いに。


ランブータンと、スイカとレンケンという果物と、ぶどうを買いました。全部で500円、そのうちブドウが400円、ぶどうを買うのを思わずためらいましたが、試しにエイッと買ってみた、輸入品だから高いだけで実はランブータンのがずっとおいしいんじゃないの~?と思いましたが、どっこいブドウもめっちゃ美味しかった。皮まで食べられるようなブドウでした。
果物やさんの奥は


スナックやさんも兼ねていた。
ひとつひとつ、似ているけどなあんか違っておいしいです。私とワヒューのブームは、「悪魔のクルポ」。4粒食べたらオワルという恐ろしい激辛クルポです。

さて夕方トロさんがやってきた。


来ると言ってから23時間経ちました。
「昨日は酔っぱらっちゃって、道も全然わかんなくなっちゃって、ソーリーソーリーがはははは」とトロさん。


バティックを持ってきてくれました。
彼はキ・セノのワヤン楽団の太鼓奏者、楽団の衣装となるバティックも彼がデザイン・発注しています。一昨年浜松の楽器博物館でワヒューやマルヨノが着ていたバティックが気になり、その時からずっと欲しいと思っていたトロさんのバティック、ゲットしました♪

私は何度かワヤンの舞台で彼を見て、聞きたいことがあったので質問してみた。
太鼓がすごいことや、ワヤン中どうして鼻の横にお菓子の屑つけたりしてふざけるの?とか、どうしてダランの冗談にこれでもかというぐらい笑い転げるの?と聞くと、
「あのよ~」


といって、トロさんは話始めた。
「いいか、まず鼻の横に菓子屑くっつけるのはな、プシンデンを笑わせるためだ、どうして笑わせるかというとプシンデンが眠そうにしてるからだ」
「それからよ、どうして笑い転げるか、とか舞台上でヘラヘラしてるのとか、全部理由は一つ、要はワヤンという舞台だからだ。」
と言います。
おふざけ者のトロさんが真面目に語るのできっと新ネタなのだろうと読み、みんなオチが待てず吹き出すのですが、それでもトロさんは続けます。
「俺たちはなぁ、自己満でやってるんじゃねえんだよ、これは仕事なんだ、客を場を、盛り上げて満足させる、それが俺の仕事だ、太鼓だけいくらうまくても、いや俺は相当うまいんだけど、それだけでは鼻くそだ。」
といって鼻くそを指ではじく真似をするのでした。
「太鼓奏者っていうのはいろんなことに意識を向けなければいけない、全体の音楽の一体感、客層、ダランのキャラと客層バランス、昼なのか夜なのか、雨なのか、この後の演目がシリウスなのかおめでたいのか、そしてダランのワヤンさばきに敏感に反応する。そういうこと全部考えて、しかし考えてるような顔をしてみろ、一気に場が冷えるんだよ。それは鼻くそだろう。」
というのでした。
「ワヤン前の客寄せの演奏にグンディン?!これも俺にしたらはぁ?!だ。」
「それは言い過ぎやろう、お前、、、」とローフィが言っても
「まあ聞け。雨がしとしと降っている、客もまだわずか三人、そんな時にジュレージュレー(ルバブの音だしの真似)、、はぁ?!だ。そんな湿気たことで、誰が雨のなか会場に行こうと思うんだよ、まずは盛り上げる会場を暖める、客が揃ってタイミングをみて、そこでジュレージュレーなら言いのさ、要はそういうことだ。マジュム?ガンビルサウィ?はぁ?!だ。」
「言ってることわかるけど、マジュム、ガンビルサウィだって構成でいくらでも盛り上がらせることできるやないか」とローフィ。
「そこやフィッ。」トロさん今度は声をひそめる。
「どんな曲でも、どんな構成でもすっとできるそういうレベルの奏者が減ってんだ、舞台で何を披露するにも稽古をしなけりゃならないんだよ、だから俺たちの楽団は曲を作り、パケットにして稽古をしっかりする、それが昔と違うとこだ、ジョグジャはオワッてる。」
というのでした。
言ってることはごもっとも。
みんな深くうなずきます、かっこいいね~。語りながら、ランブータンの種を道に投げたり、ハートのクッションを折り曲げたり、たばこをふかしたり、足を机の上に置いたりピーンと伸ばしたりするそういう仕草も、優しくて賢そうな目も、突き抜けてるところもかっこいい。ローフィとは芸術高校の同級生、ってことは私とも同い年。うーもっと仲良くなりたい、酔っぱらうなら今度は私も呼んでねと言っておきました。
ジャケットを着て、リュックを背負って、ポーチをさげて、バイクに股がり、じゃあな!といってトロさんは帰っていきました。

ごんくんが、よそんちからランブータンもらって帰ってきた。

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